PP不織布(フィルター材料)の特徴
CMPスラリー用のフィルターには、PP不織布が材料として使用されていますが、プレウェット処理を行わず使用するとパフォーマンスが低下してしまいます。
PPフィルターは、孔径サイズが小さくなるほど、疎水性が強くなる特徴を持っています。0.5um以上であれば濡れ性は良いですが、0.3um、0.2um、0.1umと孔径が小さくなるにつれ、濡れ性は悪化していきます。そのため、孔径が小さいフィルターにおいてはスラリーの浸透性が低下し、結果として除粒子性能も低下します。
プレウェット処理したフィルターはスラリーの浸透性の低下は起きないため、本来の除粒子性能を発揮することが可能となります。
除粒子性能比較
特許技術であるプレウェットCMPフィルターは、これまでのドライタイプフィルターと比較した場合、圧力損失や除粒子性能において高いパフォーマンスを発揮します。
プレウェットフィルターは、使用開始から流量が2Lに到達した時点で、安定的に約23%の除粒子性能を発揮します。
一方でドライタイプのフィルターは、徐々に除粒子性能が上がり、最終的には10%程度のレベルで推移します。
下記のグラフからも分かる通り、プレウェットフィルターの除粒子性能は安定しているため、一貫したプロセス管理を実施することが可能となります。
圧力損失比較
プレウェットフィルターは、イニシャル時でも1.2 psiの圧力損失ですが、ドライフィルターでは5倍の圧力損失値を示しています。
流量が10Lに到達した時点でも、ドライフィルターの圧力損失値はプレウェットフィルターの2倍程度までしか落ちていません。
プレウェットフィルターの安定した圧力損失値は、製品のライフタイムの増加をもたらします。